森と暮らしがこれからもずっと続いていくために。森の恵みのレシピや持続可能な社会をつくっていくために知っておきたいことをまとめた小さなweb事典です。
PEFCとは、Program for the Endorsement of Forest Certificationの略称で世界最大規模の国際的森林認証制度。
1992年ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで行われた地球サミットをきっかけとして、世界各国で森林認証制度を作ろうとする動きが高まり、1994年にFSC認証制度が設立されて世界的に広がりました。(参考/FSCとは)
そのような中、先進国で森林の所有者からの要望が高まったことをきっかけに、1999年に現在のPEFCの前身としてヨーロッパ地域の「汎欧州森林認証制度」としてスタート。はじめはヨーロッパを中心に活動してきましたが、2003年に現在の名前であるPEFC「森林認証制度相互承認プログラム」に改名し、国際認証機関となりました。
森林管理のFM認証と加工・流通過程の管理のCoC認証、2種類の認証があるという点でFSC認証と共通しています。それでは、違いはどんな点なのでしょう。
FSC認証は森林管理のFM認証を世界共通の規格で認証しています。それに対して、PEFCは各国で定められた森林認証制度を持続可能な森林管理のために策定された国際基準“政府間プロセス基準”に基づいて相互承認している点が大きな特徴。つまり、PEFCの承認を受けた森林認証制度によって認証を受けた森林は、PEFCの認証林として認められます。
日本の森林制度SGEC/エスジェック(Sustainable Green Ecosystem Council)は、2014年にPEFCに加盟、2016年に相互承認された事から、SGECの認証を受けた製品がPEFC認証製品として流通することが可能になりました。(参考/森林認証SGEC/PEFCジャパン)
また、PEFCのwebサイトにある“認定済みを探す”でPEFC(SGEC)の認証番号を入力すると、認定を受けている団体の名前や有効期間などを知ることが出来ます。(参考/PEFC)
森林管理のFM認証は、世界共通の基準で認証されるFSCよりも各国の認証制度を生かしたPEFCの方が認められやすく、世界で認証されている森林面積はFSCが約2億ヘクタールであるのに対してPEFCは約3億ヘクタールに上ります(2021年)。
日常生活の中では、PEFCよりもFSCマークの方が多く目にする機会が多いように感じます。
2021年東京2020応援プログラムとして、Twitterで身近にあるSGECやPEFCマークを投稿するという「森林認証SGECとPEFCマークを探そうキャンペーン」を行いました。オリンピックとパラリンピックの開催時期に合わせて行われ、認知度アップを試みました。(参考/森林認証SGECとPEFCマークを探そうキャンペーン)
PEFC認証マークは、牛乳パックや印刷用紙、商品の紙箱など紙製品のもので目にする機会が多く、この点はFSC認証と共通しています。
FSC認証、PEFC認証それぞれ組織や審査の基準は異なりますが、どちらも持続可能な森林管理のための認証制度ということは間違いありません。私たちの日常で、FSCやPEFC、SGECなど認証マークを探してその商品を選択していくことが私たちにもできる大きな一歩なのかもしれません。