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2025.06.25

タケノコが成長する梅雨前後に収穫。使えばおいしさが増す“竹皮”づくり

森と暮らしがこれからもずっと続いていくために。 森の恵みのレシピや持続可能な社会をつくっていくために知っておきたいことをまとめた小さなweb事典です。

おにぎりを包む時、ラップを使うのが主流の現代。昔は、竹皮や経木が利用されてきました。
昔話や時代劇などで、竹皮で包まれたおにぎりをご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。
やまとわでは、いつも経木で包むおにぎりをご紹介していますが、今回は竹皮を紹介させていただきます。

竹皮は現在でもおにぎりの他、中華ちまきや蒸羊羹を作る際など食品の包装に利用されたりするほか、木版画用の摺り工程で使用されるばれんにも使われています。

竹の皮には、抗菌作用がある他、脱臭性のある成分が含まれているそう。さらに通気性があり、表面が蝋(ろう)のような成分で覆われているので撥水性もあります。

春の味覚の代表格タケノコは、成長につれて皮が自然に剥がれ落ち、「脱皮」していくことで竹になっていきます。竹皮は、この時に自然に落ちた皮を乾かしたもので、ちょうど梅雨前後に竹林で拾うことができます。

雨が上がったタイミングを狙って、毎年タケノコ狩りをさせていただいているお宅の竹林に竹皮を拾いに行きました。

竹皮の収穫、処理の方法

1、竹林に入り、落ちている竹皮を拾います。
ポイント : 梅雨の雨の多い時期に落ちるので、カビが生えていたり痛んでいたりするものもあります。なるべく汚れや痛みがないものを選んで収穫するようにします。

2、拾った竹皮は、裏表をたわしでこすって水洗いします。

3、濡れているうちに平らに広げて、重しを置いて乾かします。
ポイント : 外側が丸まって来るので、指で広げながら重しを置きます。竹皮の幅より少し大きめの四角いお皿が便利でした。
今回、雨上がりすぐに収穫したためカビてしまわないか心配もあったので、日当たりが良い場所でしばらく干しました。

おにぎりの包み方

1、大きめのボウルに水を張り、乾いた竹皮を入れて全体を濡らします。
ポイント : 少し濡らしておくと、次の工程で竹皮が扱いやすくなります。

2、バットなど平らな容器に水を張り、竹皮全体が水の中に入るように折りたたんで重しを置き、約1時間このまま水に浸します。

3、竹皮が十分に柔らかくなったら、布巾で表面の水分を拭きとります。

4、おにぎりを包んだ後に縛る用の竹紐を作ります。
竹皮の外側を割きますが、特別な道具は必要なく繊維に沿って引けば簡単に割くことができます。

5、竹皮の中心におにぎりを並べ、包みます。片側を内側に畳み、左右の隙間がないように包みます。
ポイント : いきなり包むのではなく、あらかじめおにぎりに沿って折り目をつけて目印をつけておくと包みやすくなります。

6、仕上げに、4で作った竹紐を使って結びます。

竹皮で包むだけで、とっても雰囲気のある素敵なお昼ご飯が完成。
使った竹皮は、洗えば再利用できるそうです。
ポイント : 再利用する際も、洗った後に重しを置いて乾かした方が使いやすいです

一番大変だったのは、竹林へ竹皮を拾いに行った後に選別して洗い、丸まっている端の部分を広げながらしっかり乾かす過程。なるべく綺麗なものを選んだつもりでも、干している最中にカビてしまったものも多くありました。

乾くまでは大変でしたが、作っておけばとても使いやすく再利用できることからとても便利な包装資材だと感じました。

鎌倉時代から使われていたという説もある竹皮。竹皮づくりを通して、自然と寄り添ってきた人々の暮らしに思いを馳せることができました。

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