森と暮らしがこれからもずっと続いていくために。森の恵みのレシピや持続可能な社会をつくっていくために知っておきたいことをまとめた小さなweb事典です。
リジェネラティブ農業とは、既存の農業で傷んだ土壌を修復しながら、土壌の生物多様性を回復させることで、自然環境の回復を目指す農業のことです。土壌の有機物を増やすことでCO2を貯留し、気候変動を抑制する効果があると考えられているこの農法。日本語では、循環型再生農業ともいいます。
具体的なアプローチとしては、「不耕起(土を耕さない)」や「輪作(同じ畑に一定期間ごとに、違った種類の作物を栽培すること)」、「合成肥料の不使用」など。
例えば、畑を耕さないというのは農業をする上でタブーに思われがちですが、実は、土を耕すことによって土の中に酸素が入り、植物が土壌の中に蓄えていた炭素と結びついてCO2となって、大気中に放出されてしまいます。土を耕すのは、多少なりとも気候変動に影響を与えていたのです。
私たちが生きるうえで欠かせない、”食べる”という行為。
その食を支えてくれている従来の農業は、実は炭素総排出量の最大25%を占めていると言われています。(※1)
このままずっと同じサイクルで生産を繰り返していくと、必ず限界がきます。
リジェネラティブ農業は、命の源である土壌の豊かさに重きを置いた、農業の生産方法。
自然環境に優しいだけでなく、その土地を守りながら生産者の負担も減らすができる、自然の力を最大限に取り入れた持続可能な農法です。
いち早くこの農法に取り組んでいるアパレルブランド「Patagonia」は、他ブランドと共同でリジェネラティブ・オーガニック認証を立ち上げに参与。現在は、リジェネラティブ・オーガニック認証を取得したコットンを使った服の販売を積極的に行っています。
参考サイト
※1 Patagonia web(https://www.patagonia.jp/regenerative-organic/)