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2021.09.09

カーボンオフセットとは

森と暮らしがこれからもずっと続いていくために。森の恵みのレシピや持続可能な社会をつくっていくために知っておきたいことをまとめた小さなweb事典です。

カーボンオフセットとは、二酸化炭素(カーボン)などの温室効果ガスの排出を削減する手段のひとつ。
人間の経済活動や生活を通して出来るだけ排出量を削減する努力をし、それでも削減できなかった量に対して他の場所で削減吸収された二酸化炭素で埋め合わせ(オフセット)することをいいます。

カーボンオフセットは、イギリスの植林NGO “Future Forest(フューチャーフォレスト)”という団体の取り組みから始まりました。日本では、2007年から取り入れる企業が現れ始めましたが、北海道洞爺湖で行われたG8サミットでは環境問題が主な議題となったこともあり、2008年から急速に導入が普及しました。

カーボンオフセットの代表的な取り組みを紹介します。

自己活動によるオフセットの例です。
長野県伊那市の友好都市である東京都新宿区では、伊那市内の森林を「新宿の森」と名付け、植林や間伐を行い整備することで、カーボンオフセットしています。2009年から始まったこの取り組みの目的はカーボンオフセットだけでなく、住民同士の交流の場にもなっています。

そのほか、企業が製品の製造過程で発生する二酸化炭素をオフセットする製品、サービスや会議、イベントで排出される二酸化炭素のオフセット、寄付型オフセットなどもあります。

これらの取り組みは、温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジット(排出権)として国が認定するJ-クレジット制度を利用しています。再生エネルギーの導入や森林整備など、温室効果ガスの削減や吸収につながる取り組みを実施している団体が、クレジットを作り、企業が購入することで経済活動を行う中で出てしまった二酸化炭素(カーボン)を埋め合わせ(オフセット)する仕組みになります。

しかしながら、カーボンオフセットの制度には問題もあります。
排出権を取引する考え方は、利益さえ上げていれば排出量を削減する努力をしなくても、他の団体から排出権を購入すればよい、という意識を助長する恐れがあるのです。さらに、経済力が二酸化炭素を排出できる量を決めるような社会となり、不平等を生む危険性も孕んでいます。

そのことも踏まえ、私たちひとりひとりに何が出来るのでしょうか。企業や団体、製品についてしっかりと知り、どこの何を選択するのかをじっくり考えることを、これまで以上に求められるのかもしれません。




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