森と暮らしがこれからもずっと続いていくために。 森の恵みのレシピや持続可能な社会をつくっていくために知っておきたいことをまとめた小さなweb事典です。
6月と言えば雨の季節ですが、同時に梅の季節でもあります。青梅を使って作る梅シロップや梅酒、梅肉エキス、黄色く甘い香りがするほどに熟した梅で作る梅干し。
梅は、そのままでは食べることが出来ませんが、梅仕事という言葉があるように昔から様々なものに加工されて親しまれてきました。
黄色く完熟した南高梅が手に入ったら、梅干しづくりの始まりです。
作り方
1、梅の塩漬け(6月~7月頃)
【材料】黄色く完熟した南高梅 適量、塩 梅の重量の18%
【道具】ボウル、竹串、布巾、重り(梅の重量の2倍のもの)、梅を漬ける容器、アルコール35%以上の焼酎
(1)竹串などを使って梅のヘタを取り、一粒ずつやさしく丁寧に洗います。
ポイント : 梅が熟しているので傷つけたり、潰れたりしないように気を付けます。
(2)洗った梅の水気を布巾でしっかりとふき取り、焼酎をしみ込ませた布巾で拭いた容器に梅と塩を交互に入れていきます。
ポイント : 梅干しづくりでカビは大敵。ヘタがあったくぼみの中にも水がたまっていることがあるので、しっかりと拭き取ります。また、塩は下にたまりがちなので、最初は若干少なめに入れていくと良いかもしれません。
(3)梅と塩を全て入れ終えたら、梅の重量の2倍の重さの重しを乗せます。
ポイント : 容器と同じように、重しも焼酎で消毒してから乗せます。
(4)ほこりが入らないように重しの上に新聞紙をかけ、紐で縛ります。毎日様子をみながら、梅酢が上がるのを待ちます。大体3~4日すると、梅が全て梅酢に漬かります。梅酢が上がれば、重しを半分の重さのものに変えます。
ポイント : 梅酢が上がるまでは、容器をぐるっと回すなどして全体の梅に梅酢がかかるようにすると安心です。
2、赤しそを入れる(7月頃)
【材料】赤しそ 梅の重量に対して10%~20%、塩 赤しその重量の18%
【道具】ボウル、布巾、アルコール35%以上の焼酎
(1)赤しその太い茎を取って、葉を大きなボウルでじゃぶじゃぶ洗います。水を切り軽く布巾でふきますが、天気が良かったら日光に1時間くらい当てて乾かします。
(2)赤しそをボウルに入れ、塩の半分を入れてもみます。しばらくすると、アクがたくさん出てきます。赤しそをしぼって、出て来たアクを捨てます。赤しそを戻し、残りの塩を全て入れてもむとまたアクが出てきます。出て来たアクは捨てて、赤しそだけ取り出します。
(3)絞った赤しそに、梅酢をお玉一杯分ほど入れます。梅酢が鮮やかな赤色に変わります。
(4)梅の容器に(3)をほぐしながら入れます。このまま梅雨が明けるのを待ちます。
ポイント : 梅が梅酢に全て入らないようだったら、重しをします。重しを乗せる場合は、焼酎をしみ込ませた布巾で消毒してから乗せます。
3、梅を干す(梅雨明け後)
【道具】梅を干すザル
(1)さあ、梅雨が明けました。3日間晴天が続きそうな頃を見計らい、朝 梅を干します。
ポイント : 重ならないように、梅が破けてしまわないように気を付けます。
(2)半日干すと、表面が少し乾いてきます。お昼ごろ、梅をひっくり返します。 この時も梅が破けないように気を付けます。
15時か16時ころ、梅を家の中にしまいます。この時、もう一度梅酢に戻す方法とザルに乗せたまましまう方法があります。今回は、1日目だけ梅酢に戻し、2日目はザルに乗せたまま家の中にしまいました。
(3)2日目も同じように朝干して、お昼にひっくり返し、夕方家に取り込みます。3日目も同じ作業を繰り返しました。良い感じに干しあがっています。
(4)3日間干した梅を、容器に取り込みます。梅の保管方法として、梅酢に戻す方法と梅干しだけで保管する方法があります。
梅酢に戻すと、より色鮮やかな赤色になり果肉がみずみずしく、酸味が強くなります。梅酢に戻さないと、色は控えめで果肉はねっとりとして酸味が強くなく落ち着いた味になります。
3ヶ月から半年ほどそのまま寝かせます。時間が経つと、塩と酸味が馴染んで美味しく食べられるようになります。
梅干しづくりは手間はかかりますが、材料はとてもシンプルで作っておけば長い期間楽しめます。さらに、梅干しを作る過程で出来る梅酢で紅ショウガ、赤しそでゆかりも作ることができます。
梅はその日の難逃れ。ことわざにあるように、一日一粒食べると元気に過ごせそうです。