森と暮らしがこれからもずっと続いていくために。森の恵みのレシピや持続可能な社会をつくっていくために知っておきたいことをまとめた小さなweb事典です。
コンポストとは、生ごみなどの有機物からつくる堆肥、もしくは堆肥手法のことをいいます。
2020年、新型コロナウイルスによるパンデミックが起こりました。ステイホームによって自炊する人が増えたこともあり、調理で出た生ごみを利用するコンポストが話題になりました。
そのひとつとして、都会の人々の暮らしにも馴染むスタイリッシュなデザインとコンポストのデメリットである臭いや虫を防ぐ工夫が凝らされたコンポストバッグ “LFCコンポスト” がテレビなどメディアでも紹介され、注目されています。
また、日本の可燃ごみで割合が最も多いのは、生ごみと言われています。生ごみの水分量は70%~80%もあり、処理に時間もかかることから燃料を沢山使わなければならず、結果として二酸化炭素の排出も多くなります。
世界では、生ごみの分別資源化(堆肥化や飼料化)が進んでいるにもかかわらず、日本では今でもほとんどが可燃ごみとして処理されています。(参考/日本のごみ焼却処理は世界のスタンダードではない)
長野県は、6年連続で1人1日当たりのごみの排出量が少ない都道府県1位になりました。
長野県内の市町村ではそれぞれ様々な取り組みを行っていますが、その中でもごみの排出量が最も少ない川上村では、生ごみを可燃ごみとして一切回収していません。生ごみ処理業者と直接契約するか、生ごみ処理機で各自処理をするように徹底しています。(参考/川上村ごみ分別表)
昔から日本では、生活で出た生ごみや雑草、落ち葉などを積み重ね、堆肥にして畑に戻すということが人々の暮らしの中で当たり前に行われてきました。
生ごみを使って堆肥を作ることは、さらに堆肥で作物を育てるという循環を生み出します。自分の目に見える形で、ごみだったものを資源にすることができるのです。さらに可燃ごみの中の生ごみを減らすことによって、可燃処理の際にかかる環境負荷を減らすこともできます。
脱炭素社会に向けて持続可能な暮らしを続けていくために、私たちひとりひとりが少しずつ出来ることから始めてみるとしたら、コンポストが選択肢のひとつになるのではないでしょうか。