森と暮らしがこれからもずっと続いていくために。森の恵みのレシピや持続可能な社会をつくっていくために知っておきたいことをまとめた小さなweb事典です。
12月に入り、寒さが厳しい伊那谷です。やまとわの森の中も、すっかり冬仕様。葉が落ちたので見通しが良くなり、足元は落ち葉が沢山降り積もってふかふかです。
広葉樹は葉を落としましたが、スギやヒノキは青々とした葉をつけています。
しばらく森を歩くと、何の植物か分からないツルや赤い実、黒い実など面白いものを沢山見つけたので、森の素材を使ってクリスマスリースを作ることにしました。
材料
ツル性の植物、グリーンの葉、松ぼっくりや実など適量、剪定ばさみ、麻ひも、新聞紙など
今回使った植物について
スギ (ヒノキ科スギ属)
日本固有の木で学術名はCryptomeria japonica。日本各地の人工林に多く植えられていて、生産量は最も多い。ヒノキと並んで建築材(柱や床材など)として、日本では沢山使われている。江戸時代から代々受け継がれている吉野杉が有名。長寿の木と言われ、樹齢3000年を超えるものが屋久島にある。
ヒノキ (ヒノキ科ヒノキ属)
日本固有の木。幹の上下で太さの差が少ないことに加えて、木材の特徴としては緻密で狂いが少なく、仕上げ面は美しい光沢と特有の香りがあり耐久性が高いことから、高級建築用材として使われる。伐採から200年は強度を増し、その後徐々に強度を減少させるが、1000年以上経っても伐採時の強度を保っているというから、その強度は計り知れない。建築してから1200年を超え、現存する世界最古の木造建築物である法隆寺も主にヒノキを使って建てられている。
ツルウメモドキ (ニシキギ科ツルウメモドキ属)
明るい林縁(森のはじっこ)に生える。今回収穫したツルウメモドキも林縁の暖かい場所に生えていて、大きな木に絡みつきながら枝の上まで伸びて沢山の赤い実を実らせていました。
初夏に咲く花は黄緑色で直径6㎜ほどで小さくて目立たないが、秋の終わりになると黄色い実が3つに割れて鮮やかで美味しそうな朱色に。この実は野鳥の好物で、実の中にある種子は鳥の身体の中を通り抜けやすい形になっているそう。
作り方
(1)材料の調達をします。
絡んでいる木から外しながら切ってツルを採ります。ツルが絡むことで、木が枯れてしまうこともあるそう。想像よりも複雑に絡んでいました。
スギ・ヒノキの葉や松ぼっくり、ツルウメモドキなども適宜、採取します。
(2)ツルを作りたい大きさのイメージにあうように、丸くしながらリースの土台を作ります。
ポイント:何回か重ね合わせたら、適当にツルを巻きながら形を整えていきます。
(3)一握りくらいずつ葉を手に取り、麻ひもで土台に巻いていきます。
ポイント:今回はスギの葉をメインに使いました。
(4)バランスを見ながら、赤い実や松ぼっくり、他の種類の葉を重ねていきます。
ポイント:ワイヤーを使ってつける方法もありますが、今回は枝をそのまま差し込んだり麻ひもを使って結びました。
(5)土台から飛び出た葉をカットして、全体を整えたら出来上がり。
ツルウメモドキは、少し和風な雰囲気の実だったのでリースに合わないかなと思いましたが、松ぼっくりと合わせたら華やかになりました。
それぞれ特徴が異なる植物も、工夫して合わせるとこんなに素敵なリースに。リースを飾った36officeは一気にクリスマスらしい雰囲気。
Merry Christmas!