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2025.04.15

春色を手のひらに。開花前の枝をつかったサクラ染め

森と暮らしがこれからもずっと続いていくために。 森の恵みのレシピや持続可能な社会をつくっていくために知っておきたいことをまとめた小さなweb事典です。

「開花直前のサクラの枝をつかって布を染めると、きれいな桜色になるらしい」

茶色い枝を煮出したら、本当に桜色の染液が取れるのだろうか…
毎年春が近づくと期待が大きく膨らみ、今年こそやってみたいという気持ちが強くなっていました。ただ、開花前のつぼみがついた桜の枝をタイミングよく手に入れることはなかなか難しいことで、なかなか実現できずにいました。

今年は3月下旬、森林整備の際に切ったヤマザクラの枝がたまたま手に入ったので、染色ができるタイミングまでバケツに水を張り枝を水にさしておきました。2週間後、まちなかのあちこちで桜が満開になり始めた頃には、つぼみがさらに膨らんできました。

ヤマザクラについて

サクラの種類はたくさんありますが、今回使用したのはヤマザクラ。日本の固有種で、花は新芽の芽吹きと同時に開花します。

<分類>バラ科サクラ属

<生えている場所>
日本に自生するサクラの代表格で、山地に生えている。庭木や街路樹として植栽されているものもある。

<時期>
3月下旬から4月上旬頃

染液のつくり方

用意する材料・道具 : サクラの枝、水、大きめの鍋、剪定鋏、菜箸、バケツ
※水1リットルに対して、サクラの枝を15g使用。

(1)剪定鋏をつかってサクラの枝を5㎝位にカットします。
ポイント : 切った枝の断面が少し緑色でした。剪定してから時間が経ったものよりも、切りたて もしくは枝を水に差しておいたものを使用します。

(2)鍋へ水1ℓに対して枝を15gの割合で入れて、沸騰させます。沸騰後、やや強火で20~30分煮出します。
ポイント : 今回は枝がたくさんあったので、5ℓの水にサクラの枝を75g入れて煮出しました。

(3)煮出したら枝を取り除き、染液を鍋からバケツへ10回ほど移して空気を入れ酸化させます。
ポイント : 染液を何回か移しているうちに、赤みが濃くなっていきました。

(4)このまま一晩おきます。
ポイント : 粗熱が取れてから、ゴミが入らないように蓋をしました。

染め方

用意する材料・道具 : サクラの染液、染めたい布(今回はさらしや日本手ぬぐいを使用)、焼きミョウバン、大きめの鍋、菜箸、バケツ、ビー玉や輪ゴム(模様をつける場合)
※染める布をあらかじめ豆乳に浸しておくと、タンパク質に色素が吸着することでより濃い色に染まります
※焼きミョウバンは、水に対して0.2%の割合で溶かして使用します

(1)一晩おいた染液を火にかけ、沸騰したら染めたい布を入れて5分間染めます。時々染液から布を持ち上げ、再び染液に入れました。
ポイント : 染める布にビー玉や輪ゴムをつかって模様をつけるのも楽しいです。

(2)染色後水洗いして、バケツに用意した焼きミョウバン0.2%溶液に入れて20分間媒染します。この際も時々、溶液から布を持ち上げて再び溶液に入れる作業を行いました。

(3)水洗いして絞り、もう一度高温にした染液へ染めたい布を入れて5分染めます。
ポイント : 時々染液から布を持ち上げ、再び染液に入れました。

(4)鍋にお湯を沸かし、70度になったら染めた布を入れます。85度まで加熱しながら10分くらい湯洗いします。

(5)湯洗いが終わったら、湯から上げて少し冷ましてから絞ります。その後軽く水洗いし、タオルに包んで脱水したらできあがり。
ポイント : 模様をつけるためにビー玉や輪ゴムをつけていた場合、外してから水洗いします。

今回の染色は、こちらの動画を参考にしました。いつでもできる ! 桜染め(高崎市染料植物園)
念願のサクラ染め、想像以上に美しい春色になりました。


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