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2022.01.07

ほんのり春の香りがやさしい 七草粥

森と暮らしがこれからもずっと続いていくために。森の恵みのレシピや持続可能な社会をつくっていくために知っておきたいことをまとめた小さなweb事典です。

新しい年を迎え、早いもので一週間が過ぎようとしています。1月7日と言えば、七草粥。七草粥には、正月のご馳走を食べて疲れている胃腸を休め、七草の若芽が持つ生命力を食べて無病息災でいられるようにという願いが込められています。

春の七草とは“セリ” “ナズナ” “ゴギョウ” “ハコベラ” “ホトケノザ” “スズナ” “スズシロ”を指します。

節気の小寒から節分までの期間が一年で一番寒い時期と言われ伊那谷も大変厳しい寒さですが、七草を刻んで七草粥を炊いてみました。

材料

米 2分の1合、春の七草 適量、塩 適量

セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ(左から)

春の七草について

秋の七草が観賞用の野草であるのに対して、春の七草は食用の野草を意味しています。

セリ
日本全国の山野に自生していて水分の多い土壌を好みます。奈良時代から食べられていたことが古事記や万葉集の記録から分かっています。
爽やかなかおりがするセリは、和食のアクセントとして使われます。 “競り勝つ” という意味が込められています。

ナズナ
ぺんぺん草の愛称で広く知られています。アブラナ科の植物で、春に可愛らしい白い花を咲かせます。緑の葉を残したまま越冬する “越年草” 。 “撫でて汚れを払う”という意味があります。

ゴギョウ
葉も茎も白い綿毛で覆われていて、ふんわり可愛らしい見た目です。別名ハハコグサ。現在ではヨモギを使って作られる草餅ですが、以前はこのゴギョウが使われていたそう。

ハコベラ
ハコベとも呼ばれるナデシコ科の植物で、野原によく生えています。腹痛や歯槽膿漏の薬として用いられてきた歴史があります。“繁栄がはこびる”という意味が込められています。

ホトケノザ
キク科の植物。仏様が座っている台座のように葉を広げることからこの名前がつきました。胃を健康にし、整腸作用があるとされています。

スズナ
聞きなれませんが、普段私たちが食べている蕪の葉のことを指します。元々七草粥では葉の部分のみを使っていましたが、現在は蕪の部分も一緒に使われます。蕪の形が鈴に似ていることから、“神を呼ぶ鈴” という意味が込められています。

スズシロ
現在の大根のことです。その根の真っ白な姿から “汚れのない純白さ”を表しているとされています。スズナと同様、以前は葉の部分のみを使って七草粥が作られていましたが、現在では根の部分も一緒に使われます。

作り方

(1)お米を研いで、30分ほどザルにあけておきます。
ポイント : 研ぐというよりも優しく洗う感じで、10回ほど水を変えました。

(2)七草を洗い、軽く湯通しします。

薪ストーブの上でお湯を沸かし、サッと葉をくぐらせました

(3)根を落とし、湯通しした葉を細かく刻み、スズナとスズシロの根の部分も薄く切っておきます。

(4)研いだ米を土鍋に入れ、水600mlを注いで中火にかけます。

(5)煮立ったら、焦げ付きを防ぐために一度底からかき混ぜます。箸を挟み、少しずらして蓋をし、じっくり30分かけて弱火で炊いていきます。

火加減や蓋のずらし具合で吹きこぼれることがあるので注意!

(6)30分後、蓋を開けて塩をふたつまみほど加え、スズナとスズシロを加えます。1分弱くらい経ったら、他の葉も加えて混ぜたら出来上がり。

(7)最後に味見をして、塩加減を調整します。ほんのり塩味がきいた優しい味に仕上がりました。

まだまだ寒さ厳しい日々が続きますが、七草粥を食べて元気に過ごせそうです。

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