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2021.07.28

五感すべてでお料理を味わう。涼しさを感じる、笹の葉の”会敷”。


森と暮らしがこれからもずっと続いていくために。森の恵みのレシピや持続可能な社会をつくっていくために知っておきたいことをまとめた小さなweb事典です。

皆さんは、会敷(かいしき)という言葉を聞いたことがありますか?

会敷とは、料理を器に盛る時に、下に敷く葉や経木などのことを言います。(※会敷は、改敷・掻敷・皆敷など色んな漢字で表わされているようです)

四季折々、季節ごとに移り変わる植物を摘んで、お料理の彩りとしてそっと添える。料理を五感すべてで味わいたいという、日本人のこだわりや、おもてなしの心が生み出した文化です。

あるスタッフが、下諏訪にある美味しい羊羹の差し入れをしてくれたので、今回はすぐそばの森に生えていた笹の葉の会敷で盛り付けをしてみました。

笹について

<種類>ミヤコザサ(どんな笹でも使えます。近くの森に生えていた笹は、ミヤコザサという種類でした。)

<分類>イネ科ササ属(竹科に分類している博士もいます)

<生えている場所>
北海道から九州まで、幅広い森で生えています。主に、森の端っこ(林縁部)にいます。根っこを伸ばして増えるので、笹がはびこると他の植物が育ちにくいと言われています。

<時期>
ミヤコザサは、一年中緑色の葉っぱを付けているので、春夏秋冬いつでも使うことができます。(冬になると、葉っぱの縁が枯れて色が抜けるので、そのコントラストも魅力的です)

※会敷を使う上での注意点

身の回りに生えている植物の中には、毒を持っているものもあります。なので、お料理の彩りとして使う場合でも、事前にその植物がどんな特徴を持っているのか調べておくと安心です。

使い方

(1)山から、笹を収穫してきます。笹の葉で手を切る可能性があるので、剪定ばさみなどを使うと簡単に収穫することができます。

(2)汚れをきれいに洗い流します。

(3)お皿の上に笹を敷いて、羊羹を盛り付けたら完成。木製のカッティングボードと葉っぱの相性はぴったりです。

”食べる”ということに対して、あまり意識をせずに食事をしている人もいるかも知れません。しかし、日本には会敷くという素敵な文化があります。会敷は、豊かで美しい自然を、食事の時間も楽しみたいという日本人の遊び心が表れているように感じます。

ふと周りを見渡すと、季節ごとに移り変わる、色んな個性を持った植物が生えています。そんな植物を、お料理の彩りに取り入れてみる。(洗い物の手間も少し省けて楽ちんです)

きっと、いつもよりもお料理がおいしく、そして幸せなひと時を過ごせるのではないでしょうか。

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