基本の木会議とは?
2か月に一回のペースで開催される、やまとわ全体のミーティング。テーマも開催場所もその時の担当者が自由に決めることができます。それぞれの拠点で働いているスタッフが一堂に集い、その時のテーマでディスカッションしたり、勉強をしたりしながら、スタッフひとりひとりのスキルアップを図るものです。
8月1日に第22回 基本の木会議“労働安全衛生について学ぼう”を行いました。
労働者とは「働いて賃金を得る人」
安全とは「ケガをしないこと。さらには、未来に向かってケガをすることのない職場をつくる。ケガをすることのない作業をすること」
衛生とは「仕事による病気にならないこと。さらには、未来に向かって従業員が心身ともに、健康でいること」
“労働安全衛生”とは何かを知るために、まず最初にそれぞれの言葉が持つ意味について説明がありました。
労働安全衛生法とは、1972年に施行された法律。この法律は「労働者の安全と健康を確保するとともに快適な職場環境の形成を促進」することを目的としています。端的にまとめると…
「安全衛生上の危害防止の基準を確立する」ために、何が危険なのか?
「安全衛生の責任体制を明確にする」ために、誰が何をするのか?
「安全衛生の自主活動を促進する」ために、現場の活動が大切
つまり労働者の安全と健康を確保するためには、事業主側が環境を整えるだけでなく、労働者側も「安全に働くことを守る」ということが非常に大切になってくることを学びました。
次に、過去に全国で起こった事故事例をいくつか紹介しながら、具体的にどんなケガが多くてそれが起こる曜日や時間帯はいつなのかや気をつけるポイントなどを紹介。
中でも「腰痛が月曜日の午前中に多いのは、休日明けで体の準備不足や注意力不足から来ている」という話はとても説得力があり、大きくうなずいているスタッフが大勢いました。
その他、この季節に気をつけなくてはならない熱中症についてや、騒音や粉じん、振動で起こる障害。死亡事故で最も多い墜落・転落の原因は身近な脚立であること、脚立の正しい使い方として乗る場所や設置場所についての説明もありました。
また、日々の業務の中で木工や林業に携わる私たち。機械を使って安全に作業を進める上で求められる原則は以下の3つであることを学びました。
人はミスをする(人の注意力には限界がある)
機械は故障する(故障しない機械はない)
絶対安全は存在しない(残留リスクは存在する)
これを踏まえた上で、木工機械や移動式クレーン、フォークリフトなどそれぞれの機械を扱うために必要な免許や装具などをイラストを見ながら学びました。
最後に、メンタル不調を訴える人は女性だと4人にひとり、男性は10人にひとりということで決して少なくないこと、そしてそれを防ぐには周囲のサポートが大切であるという話もありました。
ここからは、グループに分かれて話し合います。
まずは、日常の仕事の中で感じたヒヤリ・ハットを事業部ごとに分かれて出し合いました。
木工事業部の職人からは、重い機械を運ぶ途中で無理な姿勢のまま作業をして腰を痛めてしまった話があったり、総務からはエクセルデータを入力中に保存しないまま夢中で作業していたらそのままデータが飛んでしまった話があったり。それぞれの事業部ならではの“ヒヤリ・ハット”を聞くことができました。
続いては“リスクアセスメント”を記録していきます。事業場にある危険性や有害性の特定、リスクの見積もり、優先度の設定、リスクの低減措置についてグループで考え記入していきました。
最後に中村社長からひとこと。
新工場ができあがってこれまで以上に仕事も増えていく中、リスクの優先順位を決め改善して対策をし、仕組みを作ることに意味があるということ。そして“労働安全衛生”について学んだことによって入り口に立った今日をきっかけに管理責任の見直しをしてほしいという話がありました。
新しいスタッフが入社し、間もなく新工場での経木生産もスタートします。このタイミングで、働く上で最も大切な学びができ、スタッフで共有できたことはとても大きな意義があるように感じました。