昨年よりも開花が遅かった桜が満開を迎えた4月上旬。
東京に住むお孫さんにプレゼントしたいとご依頼を受けて製作した兜飾りを納品しました。
ご依頼主の娘さんが無垢材のおもちゃがお好きということで、これまでも手押し車や雛人形などを弊社で製作しています。今回も着色はせず、各樹種が持っている色や質感を生かしました。
鉢と吹返(ふきかえし)、眉庇(まびさし)はエンジュ。
鍬形(くわがた)と八幡座(はちまんざ)はクリ。鍬形の美しい木目が目をひきます。
眉庇の上に施した褐色の眉庇飾りはイスノキ。
それぞれの部材をつなぐ際、木釘を用いることで木同士の親和性も考慮しつつ強度を高めました。
忍緒(しのびお)は、赤い江戸打ち紐を用いて総角(あげまき)結びで結んでいます。
ネームプレートと兜を支える台はサクラを使用しました。
保管用の箱は桐製。収納後の兜飾りを安定させるため、兜を支える台が収納板にしっかりはまるように設計しています。
ひとつひとつの部位に多くの意味を持つ兜飾り。樹種の特徴と色の経年変化を楽しみながら、毎年飾っていただけたら嬉しいです。
<information>
・納品プロダクト/兜飾り
・樹種
〈兜飾り〉エンジュ、クリ、イスノキ、サクラ
〈箱〉キリ
・木の産地/伊那谷(※イスノキのみ鹿児島)
・納品日/2024年4月