日本にたくさんある森。こんなにも森があるのは、豊かで恵まれているんだということを、以前こちらの記事で書きました。木は、いわば持続可能な資源です。家をつくることもできれば、暮らしの道具にもなるし、エネルギーにもなります。
だけど、日本の森に生えている木を使った家具は、ほんの少ししかありません。日本には、木を伐ってバランスよく手を入れることで、元気になる森もたくさんあります。そして、私たちも木製の家具を使うことで、癒しやリラックス効果を得ることができます。
今回は、地域の森への想いを持ちながら、地域の木を使った家具をつくっている数少ないオフィス家具ブランドを4つご紹介します。
1.木と人 KI TO HITO
富山県で製材業などを営んでいる株式会社ウッドリンクと、家具の販売などを手掛ける株式会社米三が共同で立ち上げた家具ブランド。1本の木を余すところなく使うことができるよう、小割に加工した木を貼り合わせて板をつくる“幅はぎ板”の技術を用いて作られています。製材や建築資材を専門とするウッドリンクが長年に渡って培われた高周波接着の技術を用いて幅剥ぎ板を製造。販売は株式会社米三が担っているという、双方の強みを生かして作られています。
材料は、富山を中心とした中部圏のスギ材を使用。ワークデスクを連結させることで、会議で使える長テーブルになったり、4人掛けのテーブルになったりと、大きさを自由に変えることができます。
またスギは、その場の音をやわらげたり、空気の浄化作用、ブルーライトの反射を抑えるなどといった、オフィスワークに嬉しい効果も期待できるとのこと。スギと鉄の組み合わせがシックでカッコいい、富山の木でつくる家具です。
2.KINOWA
KINOWAとは、間伐材の丸太、角材、板材を素材のままの形で使った家具。働く人の時間をデザインしている会社”文祥堂”が展開している家具ブランドです。複雑な加工を減らすことで、リーズナブルな価格帯を実現。デスクやシェルフだけでなく、パーテーションや照明などラインナップも充実しています。また、国産材や間伐材の利用がもっと広がってほしいという想いの下、各プロダクトの設計図など全てオープンソースに。こちらは、各プロダクトのページよりダウンロードをすることができます。
KINOWAのプロダクトは、全てサイズのオーダーを受付しているとのこと。実際にオフィスへ導入している事例などもwebサイトより見ることができるので、導入を考える際もイメージがしやすいのではないでしょうか。
3.ROOT
佐賀県太良町のヒノキを使ったオフィス家具ブランド。リラックスができ、コミュニケーションが生まれる場づくりに繋げるだけでなく、自然や森を身近に感じ、森を想える家具をつくりたいという想いから生まれました。
土足が多いオフィス環境を考慮し、床上30cmは汚れの目立ちにくいグレーで統一。スタイリッシュでメンテナンスのしやすいデザインとなっています。
太良町森林組合では、200年後に幅100cmの木になるよう、長期的な森づくりに取り組んでいます。昔からていねいに森づくりが行われてきたこの地域のヒノキは、節の少ない年輪が整った美しい木肌をしています。
家具からふわっと漂う香りは、脳へのリラックス効果があるとのこと。また、適度な湿度に保つ効果も期待できる、ヒノキの良さが詰め込まれた家具です。
4.DONGURI FURNITURE
最後に、昨年やまとわが立ち上げた家具ブランドも紹介させてください。こちらは、“暮らし方が変わったから、自然との付き合い方も変えよう”というコンセプトのもと、信州伊那谷の里山に生えているコナラやクリなどを使い、職人の手仕事によって1つ1つ丁寧に作り上げられた家具です。
里山の木をデスクに。里山の木を食卓に。里山の木をベンチや本棚に。森との関り方が変わった今、やまとわからの新しい森との関り方提案です。オフィス家具としても、暮らしの中でも使うことができます。
接続部のパーツには、独自開発をした金物を使用。天板と丸脚は自由に組み合わせることができ、用途によって高さや大きさを変えられる仕様となっています。組み立てやすく、組み替えやすい。丸いフォルムが優しい雰囲気を醸し出している、暮らしと里山を美しくする家具です。
今回は、地域の木を使ったオフィス家具ブランド4つをご紹介しました。デザインや使っている木の種類、製造工程が違うので、同じ雰囲気のものは1つもなく、個性あふれる素敵なものばかり。
地域の木を使った家具を使うと、心地よく働けるだけなく森の豊かさにも繋がります。ご時世的に、リモートワークをされている方もいると思いますが、国産材でできた家具を使ってみようかなと少しでも思っていただけたら嬉しいです。