5月12日(土)~13日(日)にかけて、2018年春コース第2回目の講座を開催しました。今回は、チェンソーの扱い方の練習と前回調査したフィールドの間伐作業。
まずはじめに、どのようにしたら安全に思い通りの方向に木が倒せるのか、早川先生から講義がありました。
伐倒の論理を学んだら、いよいよ現場へ。
参加者の方々はいよいよチェンソーが使えるぞという高揚感と緊張感を漂わせながら、それぞれのチェンソーを始動させます。持ち手にはエンジンの力強い振動が伝わり、森にはエンジンの大きな音が響き渡ります。
それと同時に、現場の空気が引き締まったように感じました。
まずは、玉切りの練習から。
丸太の上にチェンソーを乗せて、木を伐っていきます。
次は、受け口・追い口の練習です。
これは、木を安全に思い通りの方向へ倒すために必要な基本の技術です。
水平に切り込みが入っているか、幅や角度は合っているか、みんなで確認しながら声を掛け合いながら受け口の練習を行いました。
チェンソーの基本的な練習が終わったら、いよいよ伐倒です。
今回の現場は植林をしてから全く間伐されておらず、とても混んでいるヒノキ林です。
全国的にもよく見る森林の状態と言えます。
ですので、木を倒そうと思ってもヒノキのしぶとい枝に幹が引っかかってなかなか倒れません。トビやロープ、フェリングレバーやチルホールといった様々な専門道具を使い分けながら木を倒していきます。
早川先生は、伐倒の論理や技術を一通り説明した後はあまり口を出さず、どの木を伐ってどの方向にどうやって倒すか、参加者の方に考えてもらっています。
自分で考えて得た経験は、技術を身に付けていくうえで何よりも大切になるからです。
参加者の力量を見極めながらなるべく今後に活きる経験を積んでもらうように行われている指導は、「山仕事のプロの指導者」だからこそできる授業だと、いつもいつも感じます。
そして、圧倒的な経験があるからこそできる指導を間近で見るとき、KOA森林塾24年間の歴史を感じる瞬間でもあります。
山での作業を終えて、山小屋に戻り、チェンソーのメンテナンスをみっちり行い、計2日間の授業が終了しました。
「山仕事は、チェンソー1台あれば簡単にできるものだと思っていた。だけど、相当な技術と専門的な知識が必要だということを痛感した。今回の講座を通して、伐倒した際の様々な対処法を経験することができたのでとても良かった。もう少し技術を上げたら、自分の山でも生かしていきたい」ある参加者の方が、このような感想を述べてくださいました。
そうなんです。
山仕事は、常に危険と隣り合わせです。決して簡単なものではありません。
しかし、森の中でチェンソーというめちゃくちゃカッコいい機械を使って行う作業、木が思い通りに倒れた時の爽快感、手入れした後の森の気持ちよさ・・・ここには書ききれないくらい沢山の魅力が詰まっている仕事でもあります。
KOA森林塾では、奥深い山仕事の世界を志や興味のある方は「誰でもいらっしゃい。」という精神で受け入れをしています。
山仕事の知識や技術を一からお伝えしているので、初心者のでも一通りのスキルを身に付けていただくことができます。
何も知らないと危険で難しい世界ですが、少しの知識を身に付けただけで、今まで見えていた山の世界が大きく変わると思います。
そして、もっとスキルアップしたくて仕方なくなるのではないでしょうか。
(・・・私もその1人です。)
次回は、6月2日(土)~3日(日)に伐倒・搬出講座を開催します。
途中からのご参加も大歓迎です!
興味を持ってくださった方は、ぜひお問い合わせください。
皆さまと一緒に伊那谷の山を整備できることを、心から楽しみにしております。