森のことを想い、考える人が増えて欲しいという願いから、中川村にある四徳温泉キャンプ場で開催されたイベント「木と人の縁日」。その中のメイン企画でもある、“みんなで木を伐って机をつくる”プロジェクトに、私たちやまとわも関わらせていただきました。
四徳温泉キャンプ場は、“生きる力を取り戻す森の休日を過ごしてほしい”という想いのもと、アウトドアアクティビティやセラピーなど、様々な切り口から自然の中でゆっくり過ごせることから、リピーターの多いキャンプ場です。
そんな四徳温泉キャンプ場で、昨年12月4日~5日、森で過ごすひとときや、木を伐る体験を参加者とシェアする森のイベント“木と人の縁日”を開催。ものづくり、森づくり、食べものづくりに関わる人たちが出店をし、子供から大人まで焚き火を囲みながら森での時間を楽しみました。
メインイベントともいえるのが、2日目に行われた2本のカラマツの伐採。このカラマツは、約60年前に伊那谷に甚大な被害をもたらした三六災害後に植樹されたものです。
1本は古来からの手法「三ツ紐切り」で、三方向から斧を入れていきます。子供から大人まで協力して2時間半かけて伐り倒しました。木が倒れた瞬間、歓声があちこちから上がるとともに、そこにいたみんなが一体となったような大きな拍手が沸き起こりました。
チェーンソーを使ったもう1本は、伐り倒すまでなんと2分半。あっという間に伐り倒した木こりの技にも驚きましたが、時間はかかっても大勢で協力して斧で伐った方が感動が大きかったように思います。
その後、伐採したカラマツは有賀製材所で製材、乾燥。
やまとわの職人が今回のためにオリジナルで机を設計、子供たちの手で仕上げが出来る段階まで制作していきます。
そして迎えた3月20日。カラマツを伐り倒してから約3か月半が経ちました。ふたたび四徳温泉キャンプ場に子供たちが集まって、机を組み立てていきます。
4組の家族が参加しました。2名の職人が先生となり、道具や机の組み立て方について説明します。
木を組み上げたり、鉋で仕上げたり。お父さん、お母さんと子供が一緒に力を合わせて机をつくり上げていきます。
木を伐るところから体験して、自分の手で仕上げた世界でひとつだけの学習机。
きっと使う子供たちは、大勢の人が協力してカラマツを斧で伐り倒したことや家族で机を仕上げたことを忘れずに、長い間この机を愛用してくれることでしょう。
最後に、ワークショップに参加した方と四徳温泉キャンプ場 様から感想が届いていますので、紹介させていただきます。
50年前の先人が植えられた木々を使い、子どもが、そしてさらにその先に自分の去った後にも使ってもらえるならこんなに嬉しいことはないなと。どんな思いを子どもか引き継いでいってくれるのか可能な限り見守っていきたいと思います。
長男は高3になるのですが、自分も欲しいなーと言って次男の部屋に入り浸っています(笑)高校生にとってもすてきなのでしようね。さらに中高生でこの経験を出来れば、机に向かって勉強はもちろんのこと、本を開いたり、想像したりする時間はより豊かなものになりそうです。
想像以上に「使う」以前に「机づくり」の道のりで得られる感情が、すごかったです。木が倒れる時の、悲しみと喜びが同居するなんとも言えない気持ち。命をいただくということ。初めての製材所で、木から生まれ出た瑞々しく美しい「木目」と出会った感動。職人さんと一緒に組み立てて、机になった時の子ども達の嬉しい顔。
子ども達がその机の上で、これからどんな時間を過ごし、どんな夢を描いていくのか、とても楽しみです。