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2025.06.30

地域の木でつくるあたたかな空間。ヒマラヤスギとサクラのベンチ|伊那市役所高遠町総合支所様

2025年6月30日に開所した伊那市役所高遠町総合支所。
1966年に建てられた旧庁舎は老朽化などの課題があったため、すぐ近くの高遠町文化センター駐車場内に移転新築されました。

この度新庁舎のオープンに合わせて、1階市民ホールのベンチをデザイン、製作しました。

表情豊かなヒマラヤスギをつかったベンチの座面

ベンチの座面の材料はサクラとヒマラヤスギ。1台につき2枚の座面を用いて2台ずつ、合計4台製作しました。

サクラは、山桜で伊那市産材を使用しています。
ヒマラヤスギは、新しい建設地付近に生えていたもので周辺工事をする際に支障があるため伐採されたもの。
担当の方によると、ヒマラヤスギについてどのような背景があるのかはっきり分からないとのことでしたが、この場所が1984年に移転した小学校の校庭跡地ということからその頃からのものではないかと想像できます。

サクラ、ヒマラヤスギともに板の個性を残すため、耳(丸太の一番外側の樹皮がついていたデコボコしていた部分)の形を活かした耳付き板を1台につき2枚使用しています。

耳付き板のため、枝の跡や節などが個性的なマラヤスギの座面

ご年配の方や小さなお子さんでも座りやすいように、ベンチの高さは一般的なベンチより低めに設計し、さらに両サイドから座れるよう座板を大きめにしました。
座面は、強度を考慮して厚めにしています。座面の上面はやわらかい印象と安全性を両立させた丸面、下面では陰影のメリハリを際立たせる面取りをすることで、スッキリとした印象を与えてくれます。

また、脚部分は強度を高めるために広葉樹のコナラを使っています。丸脚にすることで柔らかさを出しつつ、先端に向かって細くなるようテーパーをかけることでシャープな印象になりました。

あたたかみのある淡黄褐色が特徴。サクラのベンチ

長い間地域を見守ってきたヒマラヤスギが形を変えて、肌触りがよく存在感のあるベンチとして生まれ変わりました。
これからも末永く、地域の皆さんに親しんでいただけると嬉しいです。

<information>

・納品家具/ベンチ
・樹種/座面 : ヒマラヤスギ、サクラ 脚 : コナラ
・木の産地/伊那市(ヒマラヤスギは建設地近くに生えていたもの)
・納品時期/2025年5月

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