国内屈指の山岳景勝地として知られる上高地。
上高地では自然環境保護のためマイカー・観光バス規制が行われており、沢渡ナショナルパークゲートは、シャトルバス・タクシーへの長野県側の乗り換え拠点です。

沢渡ナショナルパークゲートでは、自然環境維持の大切さや自然環境の楽しみ方、天候情報などを紹介しています。
これまで、上高地を訪れる人たちに向けた様々な情報を掲示するために使われてきたホワイトボード仕様のNotice Boardを、施設の雰囲気に合わせて木製にしたいというご要望を受け、製作しました。

使用した材は、伊那谷産のクリ。
マグネット塗料を塗布した上にチョークで書くことができる黒い塗料を重ねて塗布し、黒板仕様にしました。黒板消しが置けるスペースとチョークが収まる溝を設け、表も裏も同じように使えるようになっています。

ふだん製作している家具よりも大きく、構造も異なるため苦労した点も多かったという職人。木の動きを考えて材の取り方やどの部分に使うのか工夫し、木目の特徴を生かしながら製作しました。

両脇の柱は上から下に向かって太くなっており、さらにキャスター付きの脚は台形のようなフォルム。この形は山をイメージしていて、安定感があります。柱と脚との接合部分は少し丸みを持たせたことで、あたたかみがありやわらかな雰囲気になりました。

今回製作した3台は全て同じデザインですが、木目や節など特徴がありそれぞれの魅力があります。

年間120万人が訪れる上高地。このNotice Boardが上高地の情報を伝えるだけでなく、コミュニケーションの役割も担い、訪れる人たちがこの地をより楽しんでいただけたら嬉しいです。