経木という、昔ながらの素材の開発をずっと進めてきまして。
ようやく商品として送り出せるところまで来ました。
経木は、昔は至る所で使われていて、お肉屋さんではお肉を包んで、魚屋さんでは魚を包んで。料亭では、刺身を保存するときに今でも使っていて。
皆さんも、経木と言われてもピンとこないけれど、経木に包まれてる納豆とかで、見たことあると思います。
赤松を薄く削った、木の紙。
とても薄くて0.18mm前後。この「経木」を作るのに、2年くらいかかりました。
経木を削る機械を作っている会社はもうどこにもなくて。
50年前の機械を譲ってもらって、油まみれの機械をバラして洗って、組み直してモーターをつけて、削ってみて、全然削れなくて。その繰り返し。社長の中村さんとスタッフの宮原さんと2人で、かなり苦労してきました。
ちなみに、僕は、「難しいんですね〜!!頑張ってー!」と隣で見てるだけしか出来ませんでしたけれど…。少しずつ削れるようになったと思ったら、また削れなくなって。
木は生き物だから一つずつ違う。それを同じように削るには、経験と知恵が必要でした。
そして、今年の4月に、職人の酒井さんが仲間に加わってくださりました。酒井さんは、第一線で活躍されてきた漆職人。刃物にも詳しくて、出来ないことがものすごく悔しいタイプ。
酒井さんの加入で、本当に経木の品質がどんどん上がってきて、生産枚数も上がってきました。
7月の頭に、酒井さんが苦戦していた部分がうまくいって、綺麗に削れるようになったとき、酒井さんは工房から事務所まで飛び跳ねながらやってきました。
「できたんだよー!いいから社長見に来てよ!」と子どものようにはしゃいでいて。僕も嬉しくなりました。
経木は、本当に綺麗で、面白い素材です。
色々な使い方ができる素材。
僕らは、それに「信州経木Shiki」という名前をつけました。
素材から生産まで、全て信州伊那谷産。
ぜひ、皆さんの暮らしに取り入れていただけたら嬉しいです。
▽ 信州経木Shiki web