3月12日(土)、環境省 中部山岳国立公園とパートナーシップを締結しました。
長野県松本市、北アルプス一帯を占める中部山岳国立公園の南側に位置する乗鞍高原。絶滅危惧種である雷鳥が暮らしている日本でも有数の地域です。2021年3月、乗鞍高原は国立公園のゼロカーボンパーク第一号として認定されました。
ゼロカーボンパークとは、国立公園において、先行して脱酸素化に取り組んでいるエリアのこと。乗鞍高原では、地域一体となってCO2をなるべく排出しない環境に優しい観光に取り組んでいます。
乗鞍高原の観光名所でもある一ノ瀬園地。かつては、牧草地として人々が利用していたため、美しい草原の風景が広がっていました。しかし、人の出入りが少なくなった現在は、シラカバが繁茂するようになりました。乗鞍高原では、人の暮らしと自然が織りなす美しい原風景をもう一度取り戻したいと、シラカバの修景伐採(風景を守るために木を伐ること)を実施。しかし、地域に製材所がないため、薪以外の利用方法を見出せずにいました。
そして昨年、持続可能な乗鞍高原の地域づくりに取り組んでいる方から、このシラカバを地域で使う文化をつくっていきたいと、やまとわにご相談をいただきました。
地域の木を地域で使う文化をつくっていくためには、まずはその土地で暮らす人たちが、楽しみながら木と触れ合うことが大切ではないだろうか。その文化づくりの第一歩として、地域の人たちと協力しながら作る「kimamaベンチ」づくりワークショップを開催しました。
「kimamaベンチ」とは、乗鞍高原に生えているシラカバを使って、釘や防腐剤を一切使わずにつくるベンチ。そうすると、3年も経たないうちに朽ちてしまいます。しかし、”朽ちる”ということを許容して、“朽ちたらまたみんなでつくる”という循環モデルに共感いただき、このワークショップが実現しました。このワークショップが生まれるまでの経緯や様子は、Raicho.incさんのこちらの記事に詳しく紹介されていますので、ぜひご覧ください。
こちらは、ベンチの製作の様子や企画した想いなどがまとめられたプロモーション映像。乗鞍高原の美しい自然と共に、楽しそうにベンチづくりをする参加者の様子を見ることができます。1分弱の映像ですので、よければぜひご覧ください。
そしてこの度、環境省 中部山岳国立公園とパートナーシップを締結いたしました。地域の森の資源を使った、楽しい暮らし方提案や循環する地域づくりを通して、“地域の木を地域で使う”という文化づくりに貢献できるよう、これからも私たちはパートナーシップを取りながら取り組んでまいります。