読みもの・お知らせ
2017.11.16

焚き火を囲みながらのトークイベント キノマチ座談会vol.1開催!!

「自転車で世界を旅した二人に学ぶローカルな生き方、暮らし方」

10月1日に、「キノ人×マチの人の対談で新たな価値観を生み出す」ことを目指して「キノマチ座談会vol.1」を開催しました。当日は、31名の参加者の皆さんと焚き火を囲みながら、「自転車で世界を旅した二人に学ぶローカルな生き方、暮らし方」というテーマでゲストに語っていただきました。

ゲストは、約8年半をかけて、157ヵ国、155,000?を自転車で旅した【小口良平さん】、約3年をかけて、北アメリカ、アジア、ヨーロッパを自転車で旅し、現在は大工をされている【島崎敏一さん】、そして、折りたたみ自転車で世界を旅し、今回の交流会で本格カレーとタンドリーチキンを作ってくださった【島田義弘さん】の3人。

自転車で世界を旅した3人が、自身の旅を通じて、経験したこと、得たこと、伝えたいことをじっくり話してくださいました。その後の交流会では島田さんお手製のカレーやタンドリーチキンをいただきながら、時間を忘れて皆で会話を楽しみました。

自分が旅で感じたことを自分の言葉で語り続けたい

 ―― 旅人 チャリダー 小口良平さん

「自転車で世界一周」という夢を見つけたきっかけ

小口良平さんは、約8年半をかけて世界中を自転車で旅し、昨年9月に帰国しました。長野県岡谷市に生まれ、高校まではサッカー一筋。サッカー引退後は就職か、進学かで悩みますが、大学進学のため東京へ。そして、やりたいことが見つからないまま就職活動を開始することに。

そんなある夜、小さい頃、お兄さんと1日かけて自転車で諏訪湖を一周したことを思い出します。幼い小口さんにとって、自転車で諏訪湖を一周することは大冒険。「当時のワクワクした気持ちをもう1度感じたい!就職活動のモヤモヤした気持ちを解消したい!」という思いで、真夜中に目の前にあった自転車に飛び乗ります。

当時住んでいた板橋区から、「温泉入りたい」と箱根まで自転車で向かうことにした小口さん。体力には自信がありましたが、30?40km走ったところで膝もお尻もボロボロ。湘南のコンビニの駐車場で途方に暮れ、気がつくと涙が溢れていました。すると、一人のおばあさんからお茶を差し出されます。「あんた、何泣いてるの。汗と涙は人のために流すもの。自分のために流す涙は今日だけにしな」とおばあさん。その言葉に、小口さんは今までの自分の人生を振り返ります。これまでの人生で本気になれることが一つもなかった、また今回も諦めるのか、もう諦め続ける人生は嫌だ、と。再び立ち上がって自転車に飛び乗り、箱根を目指した小口さん。無事、板橋区から箱根まで自転車で往復することができました。

また、大学卒業間近に旅行で訪れたチベットで、日本とは違う言葉、風景、食事、文化に触れたことで、世界には色々なルールがあることを知りました。「もっと世界中のルールを知りたい。世界中のルールを知ってから、自分の今後の生き方を決めたい」と強く思うようになりました。これらのことから、小口さんは初めて本気になれる夢を見つけました。それが「自転車で世界一周」です。

就職活動の末、建築業に就職。自転車で世界一周するために、まずは資金づくり。一生懸命働き、5年で1,000万円を貯め、借りていた300万円の奨学金も返済。節約生活が辛くなった時は、夢の実現のためと、強い気持ちで乗り越えました。

そして、お金、時間、そして覚悟の全てが揃い、2007年自転車での旅をスタートさせました。


いつも誰かがそばにいてくれた

自転車での旅は、主にテント生活。人がいないところ、人目につかない場所を探してテントを張って寝ていました。しかし、ある時、テントにヨーグルトを投げつけられました。子供の仕業でした。「これがもし強盗だったら自分の命が危ない」と感じた小口さんは、人がいるところの方が安全ということに気がつき、それからは現地で知り合った方の家に泊めてもらったり、家の庭にテントを張らせてもらうなどして過ごすようになりました。人々はとても温かく迎え入れてくれ、食事や水を用意してくれたり、家の中に招き入れてくれる人もいました。さらに、道の情報を教えてくれたり、親戚の家を紹介してくれたりなど、小口さんの旅を皆が応援してくれ、助けてくれました。いつも誰かが必ずそばにいてくれました。

また、交通事故に遭って前歯が折れたり、タイでは腸チフス、インドではデング熱、アフリカではマラリアにかかり入院。「もう旅をやめたい」と思うような辛いこともたくさんありました。そんな時に小口さんを支えたのは、旅で出会った人々にTシャツに書いてもらったサインやメッセージ。2,000人以上の人々のサインやメッセージはTシャツ55枚になりました。「その人たちにもう1度会いに行きたい、旅を成功させたと報告したい」その一心で旅を続けました。

「この国で感じたことを君の言葉で大切な人に伝えてほしい」。旅の途中、イラン人にかけてもらった言葉が印象に残っている小口さん。「旅で自分が感じたことを自分の言葉で語りたい」と現在は講演活動やイベントなどを行っています。また、今後は人が集まる場所を作りたいという夢があり、準備中。そして、30年後を目安に「月に行く」という大きな夢を持っています。

小口良平さん

ブログ https://ameblo.jp/gwh175r/

キノマチ座談会vol.2につづく…

文・新井明日香

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