6月2日(土)~3日(日)にかけて、KOA森林塾春コース最終講座を開催しました。
今回は、間伐とロープウィンチを使った搬出。
2日目には、プロの山師の方も指導に来てくださり、新しい気付きを得ることができた充実した講座になったと思います。
【 1日目 / 間伐練習 】
この日は心地良いほどの快晴でした。3回目の開催にして、みんなが待ち望んでいた快晴。
やっと気持ちがいい木漏れ中で作業ができる!と一人心躍らせながら、森林塾が始まりました。
ロープ、チルホール、楔、フェリングレバー・・・。
今回は、受講生にどの道具を使ってどのように倒したいか決めてもらい、伐倒をしました。
段々と、目標の方向へ正確に倒すことが出来るようになってきた受講生の方々。
思い通りの方向へ倒れた時は「おー!」と歓声が上がります。
伐倒した後は、切り株を見ながら受講生の伐り方を分析しました。
「いいですね。」、「100点満点ですね。」、時間が経つに連れて心做しか先生の誉め言葉が多くなってきたように感じました。
小屋へ戻ってチェンソーの目立てをしたら、この日は終了。
終了間際に「明日で終わりだもんなー、やれることは全部やりたいな。」とある受講生がポツリと呟いたその言葉を聞いて、ひたむきに森林塾と向き合ってくださるその思いを感じ、胸がいっぱいになりました。
【 2日目 / 間伐・搬出 】
この日は、伊那谷で自伐林業をされている山師の松岡正さんが講師として来てくださいました。
早川先生と松岡さんの2人からマンツーマンに近い形で山仕事の技術を学ぶことができた、濃密な時間になったと思います。
(・・・私も生徒として混ざりたい気持ちでいっぱいでした。受講生のみんながとても羨ましかったです。笑)
まず始めに、松岡さんからロープウィンチを使った搬出方法の論理を説明いただきました。
初めて聞く内容に、受講生も興味津々。
次々に質問が飛び交い、とても充実した講義でした。
講義が終了後、いざ現場へ!
午前中は2グループに分かれて、間伐練習を行いました。
「受け口は一番大事な部分、どれだけ時間をかけてもいいからゆっくりと作ってください。」
プロの山師からいただいた言葉に安堵した様子の受講生たち。
昨日の課題・反省点を活かしながら、丁寧に1本の木を伐りました。
午後は、いよいよロープウィンチを使った搬出へ。
ロープウィンチの設置方法や、安全に作業をするために心掛けること、また、ロープウィンチを使っていく上で必要なロープワークも、惜しみなく教えてくださいました。
松岡さんの現場では、普段全幹(1本の丸太)で搬出をされているとのこと、今回は丸々1本の丸太を搬出しました。
1本目の搬出は、松岡さんにセッティングしていただき操作方法をはじめとした作業の手法について学びました。
2回目は、松岡さんの指示なしで受講生の方たちに”どこのルートを通って搬出するか”、”どの木にロープを巻き付けるか”などを決めてもらい搬出を行いました。
山の仕事は想像以上に頭を使います。
如何に安全に、木を傷つけず、効率よく仕事ができるか等々・・・。
常に考えながら仕事をされている松岡さんの仕事ぶりはとても丁寧で、きれいで、指導も分かりやすく、参加者一同感心した様子でした。
山小屋へ戻ってきたら、チェンソーのメンテナンス。
最終回にもなると、受講生の方々はてきぱきと、講師の指示なしでもどんどんメンテナンスをしていきます。
今回が春コースの最終回ということで、早川先生と松岡先生に一言ずつお言葉をいただきました。
早川先生
「参加者の皆さま、全員とてもチェンソーワークが上手でした。ケガをすると元も子もないので、安全第一でこれからも励んでいってください。せっかく森林塾で山仕事を学んだので、もし何か壁にぶつかったとしても、あきらめずに乗り越えていってほしいです。」
松岡さん
「こうやって山の技術を身に付けて、山と関わる人が増えることは私たち(山師)にとっても、心強いです。そういう人たちが増えていくことはとても大切だと思います。どうか、これからも諦めずに頑張ってほしいと思います。」
これで、2018年春コースの全工程が終了しました。
最終回は、いつもちょっぴり切なくなります。
計3回、6日間という短い期間ですが、「自分たちで森を手入れしたい」という同じ思いをもって参加してくださっている方々。
その皆様と一緒に過ごす時間は、とても楽しくかけがえのない時間です。
今回も誰一人としてケガをすることなく終われたこと、講師陣の方々、そして参加者の方々に感謝をするとともに、ほっと一安心しました。
きっとまた、どこかでお逢いできることを楽しみにしながら、私自身も早川先生の下山仕事の修行に励みたいと思います。ありがとうございました。
◎次回は、8月4日から夏コースが始まります。
プロの講師や山師が、山仕事の技術を一から教えてくださいます。
山が好きな方、木が好きな方、山仕事に興味がある方、ぜひ一緒に技術を磨きましょう!
皆さまと一緒に、伊那谷の山を整備できることを心から楽しみにしています。