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2020.12.04

素人東大生が送るインタビュー特集vol.3

素人東大生が送るインタビュー特集の三回目は、長野県上伊那地域振興局の小林健吾さんです。

小林さんは、「伊那市50年の森ビジョン」の策定から関わっていらっしゃり、INA VALLEY FOREST COLLEGEの協議会会員のひとりとして、行政と現場を知る立場から力強くサポートしてくださっています。

是非ご覧ください。

▼素人東大生が送るインタビュー特集vol.3|note
https://note.com/toudai_yamatowa/n/n299a3602df8a

                                     

みなさん、こんにちは!ゆかです🤗

完全に私ごとなのですが、実は先日の最終戦を持って、部活を正式に引退しました〜!!😭    4年前、受験期で太っちゃった体を元に戻したい〜、ぐらいの軽い気持ちで入部した私でしたが、密度の濃い4年間を過ごせたと思います。楽しいことばかりではなく、むしろ悔しいことや苦しいことの方が多かったのですが、それだけ本気になれる居場所を提供してくれた部活には本当に感謝しています。これからは学生コーチという別の立場から部に関わることになりますが、これからも頑張ります!!🔥

はい、ということで恒例の前置きはここまでにして、そろそろインタビュー記事に入っていこうと思います!今回取材をさせていただいたのは長野県上伊那地域振興局にお勤めの小林健吾さんです。温厚そうな見た目の通り、初学者の私にもすごく丁寧に教えてくださった一方で、内には森に対する熱い思いを秘めている方でもあります。そんなギャップを持つ小林さんとのインタビュー記事、ぜひご覧ください!!🤗🌿

—まずは自己紹介をお願いします

小林健吾と申します。出身は東京で、大学まで東京におりました。学生時代に山小屋やスキー場のアルバイトで長野県に来たことをきっかけに、広大な自然に魅力を感じ長野県で暮したいという希望を抱くようになりました。縁に恵まれ長野県の林業の技術職員として採用されました。

それから早くも四半世紀を超えてしまいました。これまでに林道の設計、施工監督の任に就いたほか、林業普及指導員としての業務をきっかけにここ上伊那地域の方々とどっぷりお付き合いさせていただいたくようになりました。交流人事の一環で、伊那市役所にも2年間お世話になっていたんですよ。

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—なぜ“森林・林業”を選んだのですか

東京とはいっても郊外だったこともあり、幼いころはまだ家の周りに雑木林や草地、沼地がたっぷり残っていて、生きものに囲まれながら暮らしていました。物心ついた時から昆虫やトカゲやヘビなどの生きものを捕まえては飼育したり観察するということに夢中になっていました。ところが成長とともに住宅地としての開発が進み、樹の上にカッコいい基地まで作っていた一番の遊び場の雑木林が伐採されてしまったことをきっかけに森の大切さを痛感しました。高校生になると興味分野である理学系に進もうかどうか迷い始めるのですが、ある時、学部紹介のパンフレットで農学部が実習を重んじているという旨の記載があり、実学という言葉にひかれて林学を選択しました。

—これまで仕事を途中で止めようと思ったことはありませんでしたか

もちろん、初めの頃はここまで続けられるとは思っていませんでした笑そんな私がここまでこられたのはいい人にめぐり会えたからだと思っています。特に伊那にはたくさんの素敵な方がいて、そうした人たちと出会う中で自分のやりがいを見つけることができたのが続けられた最大の理由です。これから先はどうなるかわかりませんけどね笑でも森林・林業に関わっていきたいという思いは変わらないと思います。

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—伊那の方々の特徴を一言で表すとすると何ですか

私が言うのもおこがましいですが、私より上の世代の方とのお付き合いの機会が多いので、そうした先輩方は自分の信念を持って活動されていらっしゃるとないうのが印象です。一方で茸や地蜂などに夢中になって楽しそうに暮らしているのを見ると、羨ましいというか、自分といっしょだなと思って親しみを感じます。私自身、生まれも育ちも東京なのですが、構えることもなく受け入れてくれる、そうした温かみのあるところも伊那の人の魅力だと思います。

—そうした伊那の方々と働けてよかったと感じたエピソードはありますか

何といっても、いっしょに山を歩かせてもらっていることです。地区の森林を整備したいといったときにどう進めていこうか森中を歩き回りながら作戦を練ったりするんですが、そうした際にお聴きする昔話が大好きです。牛馬で材木を出していたとか、馬より牛のほうがおとなしくて扱いやすかったとか、刈敷といって田畑の肥料になる材料をここで採っていたとか、くるみを採るのに解禁日があったとか、どんぐりからの苗木の作り方のコツとか、この峠道を歩いて隣村との交流があったんだとか、ニホンミツバチの分蜂のこととかそうした話は本当にワクワクします。

それから、今は伊那市ミドリナ委員会でも活動させていただいています。ミドリナ委員会は伊那市が策定した「伊那市50年の森林(もり)ビジョン」を受けて、森と人が寄りそう暮らしを実現しようと立ち上がった団体です。委員長の柘植伊佐夫さんをはじめメンバーの多くがいわゆる森林・林業関係者ではないこともあって、これまでにない視点で森林の価値を見出していこうという迫り方が私にとってはとても刺激的です。特に私のお気に入りは「森のこえ」です。森を感じ、味わい、遊び、語らう一日を過ごそうという森JOYでも歌い継がれていて、今年は伊那北高校の合唱部の皆さんが素敵な歌声を聴かせてくれました。「森のこえ」の“永遠のめぐりに ぼくらの 生命をつなげてゆくよ”という歌詞が、本当にそうありたいものだなと心に刺さっています。

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—行政という立場以外にも仕事をするのは大変ではありませんか

もともと忙しいのは嫌いではありませんが笑、やはり楽しいかどうかが重要なのだと思います。行政の仕事に加えて“ミドリナ委員会”の取組や今回声をかけていただいたフォレストカレッジなどは楽しみながら生きがいのように関わることができ、めぐり合えて感謝しています。

—次にフォレストカレッジに関していくつか質問させていただきます。まずはフォレストカレッジに参加された経緯を教えてください

やまとわの奥田悠史さん、榎本浩実さんから声をかけていただきました。はじめに話を伺ったときは正直、計画を十分に理解できていなかったりもしたのですが、若い世代のお2人が目を輝かせているのを見て、自分にお手伝いできることがあるのであればということをお伝えしました。実際にフォレストカレッジがはじまってみて、様々な経歴の方が数十人という規模で集まると、刺激の数は人数の和というより掛け算に近いんだなという気づきをいただいています。奥田さんや榎本さんが目指していたのはそういうことなのかもしれないなと、ようやく理解が追い付いてきているところです。

フォレストカレッジのビジョンとして“森に馴染みのない人にも森の価値を知ってもらい、一緒に考えてもらう”というのがあるのですが、そのビジョンに関して小林さんの意見をお聞かせください

とても重要なことだと思います。伊那市を例にとると面積の8割が森林なのに、林業の担い手の人数は十分ではないというのが現状です。今、気候変動など大きな課題と向き合うときに、身近にある資源をどう持続的に活用していくかということは、一層重要になっていると思います。今回のフォレストカレッジを通じて新しいカタチでの森の担い手が誕生するのを期待しています。

—最後に小林さんが今後成し遂げたいことがありましたらお聞かせください

生きものを長年見てきたということを活かして、自分なりに見つけた素敵な“森のこえ”を写真や動画で表現し、多くの人と共有できたらいいなと考えています。

それから、先輩方からお聞きした素敵なお話を自分だけにとどめていてはもったいないので、改めて取材させていただいて発信するということにも貢献したいと考えています。

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—本日はありがとうございました!

てな感じで小林さんとのインタビューは以上になります!いかがだったでしょうか。私が今回のインタビューを通じて思ったことは広い視点を持つことの重要性です。小林さんがインタビューの中で「森のこえ」という歌の中にある“あなたとぼくらはいつもひとつだ”という歌詞が好きなんです、とおっしゃっていました。ここでいうあなたはおそらく森のことだと思うのですが、この歌詞確かに素敵ですよね。昔と比べて今の社会はあまりに文明が高度かつ複雑化したが故に自然との繋がりを日常生活の場で実感できる機会が少なくなってしまったように思います。でもそれは自然を気にかける必要がないことを意味するわけではないですよね。単に見えないだけで今も環境問題は世界的に悪化の一途をたどっています。“見えないからこそ、そことの繋がりを意識する”それができるためには日頃からアンテナを張って広範かつ長期的な視点で物事を捉えることが必要なのだと感じました。

では小林さんとのインタビューはここで終わりにしようと思います!次回も楽しみにしててください〜😂!!

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